Vol.2「消費者」から「文化的創造者」へのシフト
【WorldShift Communicator #2】

志を
果たすために
生まれてきた
平和活動家 後藤志果

Interviewer 上村光典


後藤志果さん プロフィール

平和活動家
小さなくらしの研究室「タネノミライ」主宰
生命エネルギーの調律師
TUP(東京アーバンパーマカルチャー)マネージャー


-さて今日は志果さんの活動や、その背景にある思いを聞かせていただきたいと思います。志果さんは、ずっと色々なことをされてきていますが、どんな思いからされているのですか?
そうですね一番根幹にあるのは、「地球が大好き」「愛する地球がずっとずっと美しい地球でいてほしい」そして未来永劫尽きることのない豊かで平和な世界の存続のために「土地に根ざした共同体を創ること」「生命の仕組みを生かした社会システムを創りたい」という思想を持っています。
また、私の名前は志を果たすと書いて「志果」というのですが、自分の志を果たして生きたい。という想いに動かされ生きていますね。

-なるほど。そんな思いを持った志果さんがその世界を実現するために、大切にしていることって何かありますか?
一番大切にしていることは「内なる平和が、世界の平和をつくる」
「Inner PeaceからWorld Peaceが始まる」ということです。

ー「Inner PeaceからWorld Peaceが始まる」いい言葉ですね。志果さんが考えたのですか?
ありがとうございます。はい、私が大切にしている考えを言葉にしました。
世界平和っていうとすごく大きなことに感じるけれど、世界平和は、一人ひとりの内なる平和から始まる。だから自分を幸せにすることが平和の鍵だと思っています。
では自分とは何者か? そこを探求し、「Body .Mind. Spirit」というホリスティック(全体性)な視点に辿りついたので、30代は「Body .Mind. Spirit」の研究に明け暮れていました。
この頃から研究及び習得したことと、持って生まれた多彩な感性を用いて、生命エネルギーの調律を始めとするオリジナルメソッドを開発し、自己治癒力の回復と自分を愛する力を取り戻す(内なる平和)個人セッションやワークショップ等の場を開き、スピリチュアル・カウンセラーとしての活動をスタートしました。
でも私の提案するメソッドを私自身が実践すればするほどに、「本当の自分」に出会う感覚が強まり、自分がやっていることについて、「あれ?何かが違う」という違和感が強くなっていきました。
今思えばステージが変わるサインだったのかもしれません。
そんな流れの中にいた時、運命とも感じる出会いに導かれ、2015年の夏に、榎本英剛さんの主催する「よく生きるツアー」に参加しました。このツアーではイギリスを巡り、「持続可能な社会へシフトしていく考え方や暮らし」に触れていきました。
この旅で訪れた、フィンドホーンでの暮らしや、サティシュ・クマールを始めとする様々な活動家に出会えたことで、私の中の違和感の答えが見つかったのです。

-その違和感の答えとは?
それはまさにサティシュ・クマールが平和な社会を作るのに必要だと提唱する「Soil(土)・Soul(精神)・Society(社会)」が教えてくれた、「全体性の拡大」でした。
私がこれまで扱ってきた「Body .Mind. Spirit」も、ホリスティック(全体性)な視点だったのですが、「Soil(土)・Soul(精神)・Society(社会)」でいうとSoul(精神)の部分に相応するのだと気がつきました。 「何かが違うという違和感」の正体は、「全体性の拡大」への希求であり、Soil(土)の欠如「土に根ざしていない平和活動」のことだったのだと感じました。
種を蒔き、命を育てる。
植物も動物も人間も自然界にあるものは全て土に還る。
すべてはつながり生命は循環している。
内なる平和と暮らしの統合は「平和の原点」だと確信しました。
それはまるで、忘れていた何かを思い出したような感覚と喜びでした。
そこからは、「Soil(土)・Soul(精神)・Society(社会)」を活動の軸にしています。

スピリチュアル・カウンセラーから
アクティビストへシフト


-なるほど、2015年位に大きなシフトがあったのですね。
はい。振り返ると大きな人生のシフトがありましたね。
この時に出会ったのが、現在も共に活動している尊敬する活動家のソーヤー海くんです。海くんが主宰する「東京アーバンパーマカルチャー(TUP)」で活動するようになって、活動家たちとの出会いも広がり、ますます私の人生が変化していきました。
  それをワールドシフト流に例えるなら、「スピリチャル・カウンセラーからアクティビストへ」とシフトしていった感じです。
現在は「世界で一番地球に優しい都市を東京から」を目標に掲げ、自らも平和活動家として活動しています。ちなみに、誰もが「平和活動家」だという思いがあるので、あえて私自身の肩書きに「平和活動家」と名付けています。平和活動が特別なことではなくなればいいという願いも込めて。


高知で種の研究をする


-「世界で一番地球に優しい都市を東京から」を希望に掲げていた志果さんが、現在なぜ高知にお住まいなのですか?
いや〜本当に(驚)東京生まれの東京育ち。高知になんの縁もなかった私が、突如!高知に移住することになった経緯を話すと、本当に不思議なのですが、一言で言いますと、お告げのような導きによってです(笑)

-お告げ(爆) いったい高知では何をしているのですか?
高知県では、小さな暮らしの研究室「タネノミライ」を創設し、「人間のタネと植物の種」この2つの本当のつながりと平和との関係性についての研究を、手仕事と畑仕事を通じてやっています。
植物の種って本当に面白いし不思議で奇跡そのものだと感じています。種を観察していると、種は人間にとってお医者さまのような役割も持っているのがわかります。また種は情報であり、まるでスーパーコンピュターのような機能も持ち合わせています。



平和と種の関係について少し説明してみると、平和は一人ひとりの幸せから始まります。そして一人ひとりの幸せは、「健康な体と精神」と切っても切り離せない関係にあります。健康な体と精神には「食」が大きく関係しています。
そして食の前には農があり、農の前には土と種があります。
このことから考えても、健康な土と水、土地に根ざした生命力の強い多様な種、それらからできた旬の植物を食べることは、私たちの健康や幸せはもちろんのこと、平和な社会にもつながっています。
種と人間(のタネ)がどのように繋がっているか?「植物の種と人間のタネと平和の関係」の構造については、論理的かつ、簡単でわかりやすく子供達にもわかる、「タネとヘイワのつながりの地図」を今後作りたいと思っています。
さらに、私が皆さんにおすすめしているのは、「固定種と呼ばれる生命力の強い種に、(種蒔きをする前に)自分の情報を「プログラミング」しておく方法です。
プログラミングのやり方は簡単で、以下の通りです。

①舌下に9分以上種をおいておきます
②種を口から出して、両手で包んだまま約30秒その種を植える土の上に裸足で立ちます
④手を開いてそっと種に息をふきかけます。
⑤種をのせた両手を開いて空に向け種を月や太陽など天体に見せます。
⑥種への祈り。祈りながら種を大地におろしていきます。

例えば、「この種が平和の種となり傷んだ大地を癒し、一粒の種から万倍に平和が広がっていきますように」など、自分らしいお祈りをして種を大地に蒔いていきます。
※この種へのプログラミングについては、⑥種への祈り、の部分以外は、「アナスタシア」という本の第1巻に詳しく書かれていますのでご興味のある方は是非お読みください。

『響きわたるシベリア杉シリーズ1アナスタシア』 
ウラジミール・メグレ著、水木綾子訳、岩砂晶子監修 http://www.anastasiajapan.com/product/27

このようにプログラミングした種を家の庭に蒔き、そこで育った植物を食べることは私たちのあらゆる病に効く薬となります。
さらにこの植物を食べることは、私たちの中に眠っている「本来の力」「生命の氣」を蘇らせてくれます。
自分が自分らしく幸せに生きること「自分という種を育てていく」ことは、「植物の種を育てること」と、実は深くつながっているのだということ。
平和な社会(世界)はどうやったらできるのか?長年探求し実践し続けてきた私が発見した、最もワクワクする確実な方法が、「種まき」だったのです。そしてもう一つ、「土地に根ざした共同体を創ること」だと確信に至っています。
小さな暮らしの研究室「タネノミライ」から、毎日のように、畑に関わる暮らしをするようになって、農業とは生命と向き合うものであり、大地の癒し手にもなれる重要かつ素晴らしい仕事であるということがわかりはじめました。
地方での暮らしが教えてくれる豊かさは私に新しい視点を与えてくれます。
現在、身土不二、地産地消を軸にした地域経済の活性化や、「生命の仕組みを活かした農業」の復活を視野に入れて活動しているのと、将来子供達のなりたい職業ナンバー1は「農家=大地を癒す者」という時代が来ることも夢見ています。そして現在の食を支えてくれている農家さんへの深い感謝の気持ちから、農業の未来に貢献したいという思いも強くあります。

ギフト・エコノミーや、ギフト・エコロジーに関する活動


だからこそ、ただ種を研究して畑をしているわけでもないし、高知に移住しても、そこだけにいるわけでもないのですね。
はい。今は高知と東京をはじめ全国を巡り、「地球1個分の暮らし」「ローカリゼーションの可能性」「つながりを取り戻すコミュニケーション」「生命エネルギーの調律」等講座を開かせていただいています。



志果さんが実践しているという、ギフト経済についても教えていただけますか?
TUPの仲間と実験し続けていることの一つが、新しい経済、ギフト・エコノミー(贈与経済)からさらにその先にある、ギフト・エコロジー(与え合う生態系)についての実践と実験です。
ギフト・エコロジーは自然界がお手本です。
自然界を見渡してみると、本当に価値あるもの「水・空気・太陽・土など」は、すべて無料で与えられていることに気がつきます。一粒の種からは万倍の実が実り、空気も吸い放題。お金を使って暮らしているのは、自然界で人間だけという不思議。
現在、資本主義の暮らしをしながらも、気楽さを大切にして、「交換ではなくて、与えあうことで豊かになるとはどういうことなのか?」という楽しい実験をしています。
その根底には「人はそれぞれ豊かな存在である」という原点に還って、与え合う世界に暮らしたいという想いがあります。「みんなの豊かさを分かち合ったら世界がより豊かになった」って素敵じゃないですか?

愛とニーズを分かち合う仲間づくり


それ以外にも様々な活動を?
はい。地球を愛する仲間たちと様々なプロジェクトを動かしています。
一年に一度、屋久島でのリトリートツアーの実施や、最新のところでいくと、社会変革をテーマに暮らしをベースにした体験型の「社会変革フェス」も企画中です。

「自分の一歩が必ず世界を変えられる」


それらの活動が、すべて今日最初に語ってくれた思いにつながっているのですね。
大好きな地球のために自分には何にもできない。と絶望していた時期が私には長くありました。だから「自分の一歩が必ず世界を変えられる」って、力強い人生を誰でもいつからでも歩き始められるということが、私の生き様から伝えたいメッセージであり、志なのかもしれないですね。これからも「自分の力を信じる」仲間が増えたら最幸です。



(聞き手)上村光典 編集:上村光典



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